脊振の森から

九州は脊振山の脊振村から、里山の暮らしを伝えます。

お宝眠る、コジュケイの響く庭。

コジュケイが鳴くと雨が降る- - -というけれど、ここちにた家周辺では梅雨の雨降りの中、ずっと鳴き続けているコジュケイ

毎年の父の日の花束はこの季節の庭の花「どくだみ」
嫌いな人にとっては"異臭騒ぎ?"となる程の個性的な強い香りを放つ。
小旅行から戻ってからなにかと落ち着かない日々が続く中、たった2週間の間にまた一段と日影度が増した庭の全貌はまだ見えていなかった。

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すでにあちこちから囁かれている今年の花の開花時季の早さ。ちにた家の庭も例外ではなく、出発前から早々とどくだみの一番花が。
「こんなに早くに咲いていたら、父の日の花束が出来ない」と思いつつ、お茶用の収穫も、生の葉にしかない強力な薬効をいただくことも少々遠慮がちだったが--- 心配ご無用だった。
豊作!!と言っても一ヶ所にかたまっている訳ではなく、数多くの植物が支えあい共存共栄している中でのこと。
この季節の栗、椋、榎繁る下、みんな光を求め南へ向いて延びる伸びる。
そして支柱なくして倒れそうで倒れない。
ミツバも背高く種が熟す時季、韮も蕗もミョウガも育ち、レンゲ、カキドオシにコブナグサ、アオミズ、ヨモギレモンバームイヌタデ、ニホンハッカ、ベルガモットミント、メドーセージフェンネル、イエローラズベリーに苧麻、
誰が支柱で誰がもたれかかっているのか、極めつけは背後にキクイモ(保存は土の中が一番いいので。また今年も残しておいたものが良からぬ場所で成長してしまった)。そしてその中から私の背丈よりも高くなったジャンボニンニクの花茎が!? 
最終的にそれらを束ねてくれているのが細かな棘で引っ掛かりながらよじ登っていくアカネである。普段はちょっと困った存在ではあるがこういう時には恩恵にあずかれる。

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晴れれば豊作のどくだみはお茶用の乾燥と生葉の擦り潰し貼り薬用、全草のチンキと花のチンキ用に分けられほぼ収穫。その後は今は実った緑美しいホオズキが肥ってくる。
そしてシソもエゴマもトマトをはじめ夏野菜(うちの場合は秋野菜か)はこれから。

要するに、普通の人が見ると何が何だかわからい状況ではあるが?(笑)
ちにた家にとってはお宝眠る庭。
地下茎やこぼれ種ですぐに植物で征服されてしまいやすい上に
主が不在がちなこの庭には、新聞紙と段ボールを使った積層マルチ方式で道をつくっておくことが欠かせない。これがお金をかけずにあるものでさっとできる一手段。
もともとはそこに生えていた草を刈り、その窒素分を利用し、炭素比率の高い新聞紙や段ボール、木綿や絹などを何層にも重ね分解を促し、質の良い土をつくっていくパーマカルチャーのキーワード「自然遷移の加速」に沿った技術。
で、この場合はその一部を利用し、作業道の草おさえと土作りを一挙にやってしまい(正式には踏みしめないが)分解した頃、隣接する植え込み部分の土へと盛っていく。

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この方法で全く耕すことなく、流れる土や栄養素もその場で補え、多様な植物との共存によって作物にも目だった連作障害もない。
最初の見た目は悪いが、あっという間に落ち葉で覆われ馴染んでいく。そして草は生えず通り道確保。

このわんさと緑濃き場所と隣り合わせに、草一本生えなかったちにたが走り回っていた場所がある。
今年の春はちにた家としては珍しく、たくさんの球根花鉢でその場所を彩った。そしてその後は草があちこちから- - -。
ちにたと心交わしたこの場所はまだまだ思い出にはできず、変えようにも変えきれず。
切ない気持ちの矛先を、都会から一緒に連れてきた数多くのハーブたちが「日影すぎ過湿すぎ寒すぎ」で育たず嘆いていた頃を乗り越えての(笑)
庭の自慢話にしてしまった。

by okayan

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